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改正労働者派遣法が成立しました

国会での審議がなかなか進まず成立が遅れていた改正労働者派遣法案が、9月11日の衆 院本会議で可決、成立しました。施行日は9月30日となっており、派遣元・派遣先企業は早急な対応が求められます。

主な改正点は、以下のとおりとなっています。

 

1.特定派遣の廃止  施行日以後、一般労働者派遣事業(許可制)/特定労働者派遣事業(届出制)の区別は 廃止され、すべての労働者派遣事業が許可制となります。

【経過措置】

・施行日時点で特定労働者派遣事業を営んでいる方は、引き続き3年間は「その事業の派遣労働者が常時雇用される労働者のみである事業」を営むことが可能。

・施行日時点で一般労働者派遣事業を営んでいる方は、その許可の有効期間の間は、引き続き事業を営むことが可能。

 

2.雇用制限のルールが変更

現在の期間制限(いわゆる26業務以外の業務に対する労働者派遣について、派遣期間の上限を原則1年(最長3年)とするもの)が見直され、施行日以後に締結・更新される労働者派遣契約では、すべての業務に対して派遣期間に次の2種類の制限が適用されます。

①派遣先事業所単位の期間制限

同一の派遣先の事業所に対し派遣できる期間は原則3年が限度となり、派遣先が3年を超えて受け入れようとする場合は、派遣先の過半数労働組合等からの意見を聴く必要があります。(1回の意見聴取で延長できる期間は3年まで)

②派遣労働者個人単位の期間制限

同一の派遣労働者を派遣先の事業所における同一の組織単位(いわゆる「課」等を想定)に対し派遣できる期間は、原則3年が限度となります。

【経過措置】

・施行日時点ですでに締結されている労働者派遣契約については、その労働者派遣契約が終了するまで改正前の法律の期間制限が適用される。

 

3.派遣労働者と派遣先社員の寄稿待遇の推進

派遣先は、派遣労働者と派遣先で同種の業務に従事する労働者の待遇の均衡を図るため に以下の点で配慮義務(※)が課され、具体的な行動を行う必要があります。

① 派遣元事業主に対し、派遣先の労働者に関する賃金水準の情報提供等を行うこと。

② 派遣先の労働者に業務に密接に関連した教育訓練を実施する場合に、派遣労働者にも実施すること。

③ 派遣労働者に対し、派遣先の労働者が利用する一定の福利厚生施設の利用の機会を与えること

※配慮義務

目的の実現に向け具体的に取り組むことが求められ、努力義務よりも強い責務が課されます。

 

4.労働契約申込みみなし制度 (10月1日施行)

派遣先が次に掲げる「違法派遣」を受け入れた場合、派遣先が善意無過失である場合を 除き、その時点で派遣先が派遣労働者に対してその派遣労働者の派遣元における労働条件 と同一の労働条件を内容とする労働契約の申込みをしたものとみなされます。

① 労働者派遣の禁止業務に従事させた場合

② 無許可の事業主から労働者派遣を受け入れた場合

③ 派遣可能期間を超えて労働者派遣を受け入れた場合(※)

④ いわゆる偽装請負の場合

※期間制限違反について

・新たに設けられる事業所単位・個人単位の2つの期間制限のどちらに違反した場合も労働契約申込みみなし制度の対象となる。

・派遣元は、派遣労働者に対して就業条件などを明示する際に、期間制限違反が労働契約申込みみなし制度の対象となる旨も明示しなければならない。

・改正法の施行日(9/30)時点で既に行われている派遣については改正前の期間制限が適用され、制限を超えて派遣労働者を使用しようとするときは労働契約申込みみなし制度の